2007年9月27日木曜日

大航海時代がもたらしたもの

昨日も書いたが、トウモロコシの原産地はアンデスの山岳地帯だった。コロンブスが1492年にカリブ海の小さな島にたどり着いて、その後スペインに持ち帰った。多産な穀物でヨーロッパからアジア、アフリカへとひろまった。日本にはポルトガル人が16世紀に持ち込み「唐キビ」と呼ばれた。

世界中で愛される飲み物のコーヒーの起源は、東アフリカで6世紀頃からアラビア半島でも栽培され始めたらしい。アルコールが禁止されているイスラム教徒の間で愛飲され、16世紀になるとトルコのイスタンブールには600軒ものコーヒーハウスがあったそうだ。やがてヨーロッパに伝わったコーヒーが飛躍的に流通するようになったのは、新大陸に出来上がったプランテーション(大農場)のおかげだった。カリブ海の島々、南北アメリカ大陸、アフリカ、オーストラリアのあらゆる地域でヨーロッパでは大量に栽培できない砂糖、サトウキビ、コーヒーなどが生産されていった。中国からは紅茶が大量にヨーロッパに輸入された。

アンデスの高地で栽培されていたジャガイモは、スペイン人がインカ帝国を征服した16世紀からヨーロッパに伝わった。低温でも育つ保存食のジャガイモはあっという間にヨーロッパ中で栽培されるようになった。トマトもアンデス高地が原産でヨーロッパに持ち込まれた当初は観賞植物だったようだ。17世紀以降、イタリアで本格的に食用として栽培され、パスタと組み合わされて食されるようになったのは18世紀の初頭まで待たなければならなかった。意外に新しい食べ物だったのだ。
それ以外にも、もともとコロンブスやヴァスコ・ダ・ガマが最大の目的としたコショウを代表とするスパイス類の数々も大航海時代以降、原産地のインドやインドネシアから大量にヨーロッパに輸入されることになる。肉食がメインのヨーロッパで香辛料の必要性は、今からは想像もできないくらい重要なことだったようだ。命がけで新航路発見にチャレンジした彼らの功績があってこそ、現代人の日常の食卓が存在する。
そうやって築き上げてきた世界の食の秩序、ルールを21世紀の人間たちが簡単に無視することは、世界規模で進んできた食の歴史に対する冒涜だと思う。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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