2007年8月2日木曜日

フォーク・ソングを聞きたい夜


久し振りに大好きなフォーク・シンガー、加川良さんのCDをたっぷり聞いた。71年に「教訓Ⅰ」でデビューし一世を風靡した伝説の巨人であり、70年代から今もずっと歌い続けている現役のアーティストだ。彼を始めて知ったのは1971年の中津川フォークジャンボリーでのこと。当時、高校生だった私は夏休みに入ってすぐアルバイトをして資金をためて友人たち4,5人と遠く岐阜県までフェリーや電車を乗り継いで出かけていった。その頃の私たちのアイドルは、岡林信康や五つの赤い風船、高田渡、URCレコードからレコードをリリースしていた関西フォークのアーティスト達だった。71年のフォークジャンボリーはさまざまな伝説、逸話を生んだのだが、何しろ日本初の大型野外フェスで3万人ともいわれる若者たちが集合し、テントでキャンプしながら3日間のイベントを楽しむはずだった。はず、というのは開演して2日目の夜、観客の一部がステージを占拠してトーク・インが始まりコンサートが中止になったのだ。お目当てのアーティストのライブのほとんどが見れず、サブ・ステージでの吉田拓郎の「人間なんて」のパフォーマンスも見逃して、落胆した我々にとって唯一の収穫が「加川良」との出会いだった。人なつっこい表情で淡々と歌う彼の真摯なパフォーマンスに、しぼりだすように歌う決して美声とはいえないハスキーな歌声に、完全にはまってしまった。その後、74年に発売されたアルバム「アウト・オブ・マインド」はまさに名作だ。あの夏から36年、いまだに真夏の夜に急に加川良の歌声を聞きたくなってしまう。聞いているときだけ、あっという間に10代の頃の自分に戻れるような気がする。多分!


追記:もっと自慢は、2日目の深夜たまたま演奏していたテント小屋であの「はっぴいえんど」の生のライブを見た。衝撃だった。4人ともうつむいて、さもいやそうに演奏していた。

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