2007年9月13日木曜日

首相と横綱

昨日の安倍首相の突然の辞任会見で日本中が大騒ぎになっている。それにしても発表のタイミングが悪すぎる。参議院選挙の惨敗後は開き直り、今国会での所信演説の直後の辞任表明とは…。まるでまったく周りの空気が読めないお坊ちゃんみたいだ。昨夜のテレビや今朝の新聞で繰り返し「敵前逃亡」「前代未聞」「職場放棄」といった4文字熟語が飛び交った。

もうひとり、注目の人物に対しても今週、大きな動きがあった。モンゴルに逃亡しマスコミの目を逃れ篭城中の朝青龍に対し脚本家で横綱審議委員の内館牧子さんが引退を勧告した。巡業を勝手に休み、いつまでも謝罪会見を開かない横綱に対して自ら進退のけじめをつけよ、と明言した。相撲協会や高砂親方に対しても速やかな対応を要求している。

この二人に共通している点は、若い頃の一時期に多少の苦労はしたものの、その後代議士、関取のポジションを獲得してからは順調に地位を登り詰め、比較的簡単に頂点までたどり着いたことだろう。首相も横綱も、一度なってしまうと自らが決断して辞めるまで誰かから辞めさせられてしまうことはない。それだけ権威もあり、尊重されている聖職ともいえるのだ。だからこそ尊敬されるし影響力も甚大だ。

いつの間にか、美しい日本人の価値観や美意識が崩れ去り、自分の保身に汲々とし追い詰められるとすぐにストレスで心療内科に駆け込む首相、横綱を生んでしまう国になってしまった。

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